「俺のこと知ってるの?」
その問いかけに女の子は頷いた。
だが、また沈黙が続く。
自分から話したいと言ったくせに会話を紡んで来ないのに俺は少し違和感を覚えた。
そうこうしているうちに最後の1駅に停車した。
乗客は誰もおらず、降車する人もいなかった。
隣には女の子が座っており、列車のエンジン音だけが車内に響く。
少しだけ変な感覚を味わった。
もう少しこうしていたいと思った自分がいた。
だが、ドアが閉まる音が聞こえ我に返った。
これから死ぬ。
列車出発時の慣性の法則が俺に告知をした。
動き出したと同時に、女の子が口を開いた。
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