「少し話しても大丈夫ですか?」
不意に声が聞こえ、俺は声のする方へ恐る恐る顔を向けた。
目の前に立っていたのは、制服を着た女子生徒だった。
「・・・俺に話してんの?」
誰かに声を掛けられるなど、いつ振りだろう。
俺の返事にコクリと頷いたので、手で隣に座れと合図した。
女子生徒はスカートを畳みながら隣に座ったが、恥ずかしそうにしており、次の会話を紡んでこなかった。
「俺に話しかけると苛められるぞ。」
女子生徒は沈黙を続ける。
初対面に掛ける言葉では無いが、本心からその言葉が出た。
俺に関わるとろくなことが無い。それに会話など出来る心境では無かった。
だが、どうせ今日死ぬのだ。
少し会話しても結果は変わらないだろうと思い、問いかけた。
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